私は司法書士試験、土地家屋調査士試験、行政書士試験に同一年度に全て合格することができた。この話をすると多くの人に驚かれる。1つ合格するだけでもすごいのに一気に3つも合格するなんて、というように。同期の中には「天才ですか」と言ってくれる方もいるが、別に私は自分のことを天才だと思ったことはない。(というか自分で自分のことを天才だと言う人はいるのだろうか)
また司法書士、土地家屋調査士以外にもジャグリング、大道芸をやることもあって、周りの私への評価は「多才な人」という意見が多い。こちらは自分でも否定はしない。自分でも色々やっていると思う。
さて本題であるが、どうやって1年の間に3つの試験に合格できたのか、そのやり方について興味がある方も多いだろうから、私の実践した方法を書き記しておく。なお、司法書士試験のみについては以下の記事を参考にしてほしい。
司法書士試験受験者は土地家屋調査士試験、行政書士試験も有利
法律関係の資格試験は結構出題範囲が被っているものも多い。司法書士試験の勉強範囲が膨大すぎるため、土地家屋調査士試験、行政書士試験は結構同じ部分から出題される。そのため、司法書士試験の勉強をしていると、自然とその他2つのの試験の勉強にもなっている。
まず土地家屋調査士試験は民法、不動産登記法、土地家屋調査士法の3つが出題されるが、司法書士試験の勉強をしていると民法の知識はより深い部分まで身につくし、不動産登記法の総則部分は司法書士試験と同じ、土地家屋調査士法は司法書士法とほぼ同じなので、実質勉強するのは不動産登記法の表示に関する登記の部分と作図、計算問題。(記述式)
行政書士試験に関しては、民法、憲法、会社法は司法書士試験と同じ。勉強するのは行政法と一般知識。ただ一般知識に関しては範囲が広すぎるうえ、「常識」で答えられるものも多いため、私は全く勉強しなかった。よって勉強したのは行政法のみ。
スケジュール
1回目の司法書士試験に惜しくも破れ、1回目の土地家屋調査士試験はやる気0で不合格。それから翌年のスケジュールを考えた。
司法書士試験は7月にあり、土地家屋調査士試験は10月、行政書士試験は11月。とりあえず司法書士試験に全力でぶつかっていくことだけを考えていたので、土地家屋調査士試験の勉強期間は3ヶ月ないくらい、行政書士試験にいたっては2週間しかなかった。
土地家屋調査士試験の勉強法
司法書士試験の合格を確信した7月上旬。当然土地家屋調査士試験のやる気はなくなっていた。だが試験にお金を払ってしまった以上、やるしかない。妻にも「最近勉強サボってるんじゃない」などと発破をかけられ、土地家屋調査士試験の勉強を始めた。
ひたすら過去問
土地家屋調査士試験は市販の良い教材がない。なので、教材は使用せず、過去問のみで知識を増やしていった。まずはこちらのサイトを利用させていただいた。
無料だと3年分しか過去問が見れないが、1000円払うと全て見ることができる。破格の安さであり、土地家屋調査士試験を受けようと思う人は利用しない手はない。解説も入れてくれているし、すごいウェブサイトである。
次に記述式問題では電卓を使って座標などを計算しなければならないので、その方法を覚える。こちらの本を購入し、複素数計算の部分だけ覚えた。
他にはメルカリで東京法経学院が出している過去問マスターを択一、記述両方買い、それをひたすらこなしていった。

解説を見てもわからん問題は調べるなどして解決。記述式もひたすら過去問。予備校を使わないで勉強するには過去問しかない。というか司法書士、土地家屋調査士、行政書士全ての試験は「過去問をひたすら覚える」のが一番効率が良いと思う。
また司法書士試験、土地家屋調査士試験ともに、めちゃくちゃ古い過去問も大事。昭和後期とか、平成初期とか、今とは比べ物にならないくらい簡単な問題だけど、結構大事な知識がそこに埋まっていることも多い気がする。「こんな古い問題解いても仕方がない」と思う人も多いとは思うが、私は過去問は「全て」解いた。それが自信にもつながる。
楽をさせてもらった部分
私は学習塾を開いていたこともあり、数学は得意なので、その部分はかなり楽をさせてもらった。測量士補試験はほとんど勉強しなくても合格できたし、土地家屋調査士試験も計算部分はかなり早い段階で覚えていた。「計算は点取れるからあとは申請書でどこまで追加で点を稼ぐか」みたいな思考でやっていた。電卓による複素数計算も、別に複素数が何なのか、どんな仕組みなのか知らなくても、電卓の操作だけ覚えておけば計算自体は問題なくできるが、やはり複素数の仕組みをちょっとでも知っていると覚えやすくはなると思う。土地家屋調査士試験の合格を目指すだけなら数学的知識はそんなに必要ないが、私個人はその部分で大分楽をさせてもらったなと。
行政書士試験の勉強法
土地家屋調査士試験を終えて、行政書士試験の勉強に入る。当然やる気はない。だがお金を払ってしまった以上、(以下略)
市販の過去問集を一冊買って、行政法だけをひたすら解いた。2週間で2周できたので上出来ではないだろうか。
憲法や民法には一切触れず、司法書士試験の貯金で乗り切る作戦。正直、試験を終えた時点では行政書士試験が一番自信がなかった。行政法もあまり自信がもてなかったし、憲法や民法、会社法も絶対の自信があるかと言われると、うーん、という感じ。一般知識なんて勘と常識で解いたので自信なんて全くなし。唯一記述式だけはほぼ完璧だろ、という自信があったが、それ以外は微妙だな、という感想。
ただ最後の方に「国語の問題」が出されるので、それはきっちり取れた。ちゃんと文章を読めば正解できる。
また結果を見ると一般知識が12/14取れていてそこに大分助けられた。行政法他法律の問題もそれなりに正解できていたので、運の助けもあったと思うがなんとか合格することができた。
司法書士と行政書士どっちを先に取るか
先にも書いたとおり、司法書士試験と行政書士試験は結構出題範囲が被るので、ダブルライセンスを狙っている人もいるだろう。そうなると、どっちの試験の合格を先に目指すか?ということを考えなくてはならない。普通に考えたら、(司法書士試験と比べると)簡単な行政書士試験→ステップアップ→司法書士試験となるだろう。だがここに罠が潜んでいる。
「行政書士試験に合格したなら司法書士試験も割とすぐに受かるのでは?」と思うとドツボにハマる可能性がある。両方合格した身としては、行政書士試験と司法書士試験の難易度には大きな違いがあると感じている。すなわち、行政書士試験合格→司法書士試験の勉強を始めるも何年も合格できない、となる可能性がある。
なので最初からダブルライセンスを目指すんだ!というやる気のある方は、司法書士試験合格→行政書士試験という私と同じルートのほうがいいのではないか。司法書士試験に合格する知識があれば、行政書士試験はかなり楽をさせてもらえる。
独学か予備校か
司法書士試験、土地家屋調査士試験、行政書士試験全て、予備校に通って合格することもできるし、そうしている人は多い。ただ私の経験からすると、過去問をひたすら覚えれば合格できる、というのも事実である。(司法書士試験は模試だけ受けたけど)
一方、独学で合格した、というと驚かれるのも事実であり、まだ予備校ルートのほうが一般的なのかもしれない。
私が独学でやれたのは「本を素早く正確に読めた」ためだと思っている。独学するにはひたすら本を読むことになるので、活字が得意な人は独学に挑戦してみる価値はあると思う。
参考までに、司法書士試験で使った参考書、オートマシステムというものがあるが、オートマシステムの民法1を読み終える(問題もすべて解く)のにかかった時間は、私は約18時間だった。オートマシステムは全部で11冊あるので、参考書を読むだけでも相当な時間がかかることは覚悟しなくてはならない。それでも予備校の講義や映像授業よりは大分時間短縮にはなるだろう。
過去問が大事
最後になるが、結局はどの試験も過去問をひたすら解いて合格したことになる。過去問を解くというのは、自分の力を試すことになり辛い作業でもある。頭を使うのはエネルギーを使う。だがその分効果はある。
参考書をダラダラ読んでも知識は定着しない。知識を定着させるには、持っている知識を使わなければならない。頭を使って、問題を解くことでどんどん知識が定着する。特に司法書士試験、土地家屋調査士試験は時間との戦いもあり、素早く正確に知識を引き出さなければならない。過去問も早く、正確に解くことで本番の訓練になる。
ダブルライセンス、トリプルライセンスを最初から目指す人はそう多くはないと思うが、実際に私が合格した勉強法が役に立てば幸いです。
